ゴフトグーイェ・タマッドンハー

留学生としてイランにやってきてから10年以上。イランの人々とのあれこれや、イランで見たこと考えたことなど。

 今日はイラン歴シャフリーヴァル月31日、イスラーム・ヒジュラ暦シャアバーン月5日、西暦9月21日

 今日はイラン・イラク戦争開戦記念日
 そして、4代目イマーム・ザイン・アル=アービディーン(ペルシア語でゼイノル・アーベディーン)の生誕日

 1979年のこの日、イラン・イスラーム革命後の混乱がまだ続くイランへイラクの軍隊が攻め込んできました。
 イラン・イスラーム革命が世界に与えたショックは大きく、特にパフラヴィー王家と密接な関係を持っていたアメリカは危機感を抱き、同じように危機感を抱くアラブ諸国、特にサウジアラビアとイラクに積極的に肩入れすることにより、イラクによるイラン攻撃を実現させました。
 イラクも、サウジアラビアをはじめとする湾岸諸国も、イランが国教とした12イマーム派シーア人口を抱えており、「革命の輸出」が起こるのではないかとの懸念から、その本家であるイランをつぶしてしまおうと考えたのです。
 アメリカはイランという大油田を失ったため、サウジアラビアを援助することにより石油の安定供給を維持しようとしたです。

 イランでは革命政権がまだ完全に国内を掌握していなかったため、簡単にこの戦争は終わるであろうと見られていました。しかし意外なことに、イラン人は自国の危機に際して団結して立ち上がり、イラクとほぼ互角に戦いました。
 今になってみると、アメリカが焦ってイラクをけしかけなければ、革命政権はもっと早く瓦解していたのではないかと思わずにはいられません。結果論にすぎませんが。

 こうして約8年に及ぶ戦争が始まったのです。
 誤算は攻め込んだイラク側にも、攻め込まれたイラン側にもありました。
 イラクはイラン国内のアラブ人が自分に味方するであろうと思っていましたし、イランはイラク国内のシーア・アラブ人が自分たちに味方するであろうと思っていました。しかし現実にはそのようなことは起こらず、アメリカの援助による最新鋭の装備を持つイラクと、世界中から孤立しながらも人口をはじめとする国力という自力で勝ったイランとが一進一退を繰り返し、1988年まで戦争状態が続いたのでした。

 ともかく、イランにしてみたらある日突然攻め込まれたわけで、今でもこのイラクとの戦争を「イラクにより押しつけられた戦争」と呼んでいます。


 今年はたまたま重なってしまいましたが、今日はシーア派第4代目イマーム・ザイン・アル=アービディーンの生誕日でもあります。
 一昨日が誕生日であった父イマーム・フサインがカルバラーの荒野で殺された時、彼は病気のため父の軍勢とは行動を共にしていませんでした。そのためウマイヤ朝軍の虐殺を免れ、第4代目イマームの地位についた、ということになっています。
 彼の母は、サーサーン朝ペルシア最後の王の娘、シャフルバーヌーであったという伝承がイラン人の間では信じられています。預言者の高貴な血筋とイランの高貴な血が彼の中で一つとなったのだと信じることで、イラン人はイスラームを受け入れることができるようになったとも言われています。年代的には不可能なのですが。

 彼は病気で父と別行動を取っていたという伝承から分かる通り病弱で、メディナで生涯ひっそりと暮らしていたようです。
 また、信仰深く、常に礼拝を行っていたため、「サッジャード(跪拝する者)」という異名も持っています。


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Author:さらさや通称サラ
留学生としてイランへやって来て12年目。
テヘラン大学で日本語講師として働き始めて3年目。
テヘランの片隅でひっそりと(?)暮らしております。

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