ゴフトグーイェ・タマッドンハー

留学生としてイランにやってきてから10年以上。イランの人々とのあれこれや、イランで見たこと考えたことなど。

 知人と話している中で、多分、どうでもいいようなことなので、何となく不思議に思いつつ二年間放っておいた疑問を思い出しました。放っておく程度のごくごく些細なことなのですが。

 私自身がテヘラン大学の学生だったときには気がつかなかったのですが、教える側になって何となく気になることがありました。

 ノートをとるために、試験に回答するために、シャープペンシルを使う学生が多くいます。それは別に普通なのですが、ちょっと気になることがあります。

 シャープペンシルの芯を足すときに、あるいは交換するときに、シャープペンシルのどちらから芯を入れますか?
 私は4〜5本まとめて入れておくので、ほぼ間違いなくおしりの方から入れます。

しゃーぷぺんしる


 ところが、学生の中に先の方から一本ずつ入れている子がいるのです。
 これが一人だけならそれほど不思議に思わなかったと思うのですが、意外とこういう入れ方をしている学生が見えるのでちょっと不思議でした。

 芯が出るまでかちかちとノックするのがいやなのかなあ?とか、おしりの方から入れられない理由があるのかな?とか、目撃したときにはちょっと不思議に思うのですが、大きな疑問ではないために授業あるいは試験が終わるころには、不思議に思ったことすら忘れてしまう、本当にちょっとした疑問なのでした。


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 部屋を整理していたらこんなものを発見。
 何年も前におみやげ用に買って、余ったのをしまい込んだまま忘れていました。

ふぁーる1


 ハーフェズ占い用のカードです。

 イランでは、シャベ・ヤルダー(これについてはこちらを参照ください)の時などに「ハーフェズ占い」をします。
 もちろん、宗教的にまじめな家ですと、ハーフェズ占いではなくてコーラン占いなのだそうですが。

 ハーフェズというのは14世紀ころにシーラーズに生まれた詩人の名前です。彼の詩は神秘主義的な色合いの強い抒情詩が中心で、その美しさから「神秘の舌」という異名を奉られているほどです。
 その詩の美しさ故に今でもファンが多いハーフェズの詩ですが、その神秘主義的な色合いと言葉の持つ複雑さ故に様々に解釈できることでも有名です。その曖昧さを利用したのがハーフェズ占いです。
 ハーフェズの詩集を持って、自分の占いたいことを思い浮かべながら針を刺し、その針が刺さったページに書かれている詩を解釈するというもの。

 ということで、本当なら詩集を使うのでしょうが、タロットカードなどの影響なのかこうしたカードも売られています。

ふぁーる2


 こんな風に絵柄も様々。
 これを見ていると、イランは本当に「偶像禁止」をうたったイスラーム国なのだろうか?という疑問がわき上がらないでもないのですが、まあ、芸術の国ですし、いいのかな、と勝手に納得することに。

ふぁーる3


 裏にはこんな風にハーフェズの詩が書かれています。
 神秘主義的素養も文学的センスもない私が読んでも、ふ〜〜〜ん、で終わってしまうところが悲しいのですが、大学時代の同級生や知人たちは「美しい詩だよね」と味わっていたことを思い出してしまいました。

 ハーフェズの墓は現在、シーラーズのハーフェズ廟内にあります。
 観光地として有名なのでいつでも人でいっぱいですが、観光客に混じって、ハーフェズの詩に傾倒する人がハーフェズの墓石に触れたまま物思いに浸っていたり、ハーフェズの詩を読みながらいつまでもそこにたたずんでいたりする様子もよく目にします。こうした光景を見ると、何となく圧倒されるものを感じないではいられないのでした。


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おさんぽ


 犬と猫どちらが好き?と聞かれれば、迷いなく「猫」と答える猫派なもので、ついつい猫の写真をご紹介することが多いのですが、たまには犬の写真を。

 冬に撮ったものなので、服装が季節にあっていませんが、飼い犬を散歩させる女の子です。

 この数年、テヘランでは屋内で犬を飼う家が増えています。
 大型犬は少なく、たいていは小型から中型犬で、その家のお母さんが許せば(家の掃除をする家庭内の実力者ですから)室内で、許してくれなければ庭や駐車場、屋上などで飼っているそうです。

 イスラームでは犬はけがれているとされているために、番犬として身近にいた動物ではありましたが、家族の一員のようにして犬を飼うという文化は欧米などから入ってきた新しい文化であり、抵抗のある人もいるようです。
 それでも、こうして毎日一緒に散歩をしたり、ピクニックに出かけたりと、少しずつ犬のいる生活というのが普通になりつつあるようです。
 ただ、もう少しちゃんとシャンプーをして、ブラッシングをしてあげないと、薄汚れた野良犬みたいになっちゃうよ〜と、近所の飼い犬たちを見ると、心の中でそう考えずにいられないのです。


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ねこ


 我が家の近所にいた長毛種の
 ちょっと平べったい顔といい、ちょっとおっとりした性格といい、ちょっとペルシアの雰囲気。

 それにしても、せっかくの長毛なのだし、洗ってあげたいなあと思ってしまうハンサムさんなのでした。


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ねこ


 イランのあちこちでの写真を撮っていますが、未だに毛の長いいわゆるペルシアにほとんど出会ったことがありません。モップのような長毛のには会ったことはあるのですが。
 とはいっても、ペルシア自体がイギリスだかどこかヨーロッパで品種改良されたものだということですから当然なのかもしれませんが。

 このは、日本で撮った写真です、と言っても信じてもらえそうだなあとしみじみ。ちなみに、ケルマーンシャーのターゲ・ボスターンの近くで撮ったものです。


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 またまた写真を整理していて見つけたものから。
 最近はほとんど見なくなったような感じがしますが、以前はあちこちにありました。

たぶりーがーと


 

「子供は一人が一番
 二人で十分」



 という感じでしょうか。

 イラン・イラク戦争中に強力に推し進められた「産めよ増やせよ」という政策が、戦争後、爆発的な人口増加という結果につながりました。
 しかし、戦後の社会や経済の復興が進まない中、人口だけが増え続けることに対する危機感から、政府は今度は少子化政策をとることに。
 とはいっても、それほど積極的な活動を行ったわけではなく、コンドームの無料配布と、こうした広告をあちこちに立てたり貼ったりしたくらいだったようです。
 しかしながら、イランの人口ピラミッドは劇的に少子化に向かいました。一部地方の農村部などを除き、都市部では経済的な理由から子供をたくさん作らなくなったからです。政府に言われなくとも一人か二人しか産めないわよ、という感じらしいです。

 同じように人口抑制を進めるプロパガンダに、「少ない子供でより良い生活」というものがありました。こちらも写真に撮ったはずなのですが、まだ見つかりません。どこに埋もれているのでしょうか。

 探しているときには捜し物は見つからないというのは真理だと思わずにいられません。


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 イラン旅行をされるという方などから、イラン国内での服装について質問を何回か受けました。9月に入ってから旅行される方が多いのでしょうか。

 「チャードルをかぶらなくてはならないのでしょうか?」というのが最も多い質問ですが、外国人観光客がチャードルをかぶる必要は基本的にはありません。
 チャードルが必要となるのは、宗教的な施設においてのみで、そうした場所は基本的に非ムスリムの入場を禁止しているか、チャードルが用意されているところも多いのでそれを使わせてもらうことができます。
 マシュハドのエマーム・レザー廟、ゴムのマアスーメ廟、シャフレ・レイのシャー・アブドゥルアズィーム廟、シーラーズのシャー・チェラーグ廟などは、貸しチャードルの用意はありますが、非ムスリムの入場ができることもあればできないこともあります。

 では、どのような服装をすればいいのか。
 まず、スカーフ(正方形のもの)あるいはシャール(長い長方形のスカーフ)で髪を被います。このとき、あごの下でスカーフを縛るか、シャールを交差させてください。あご下から胸が見えないようにします。
 スカーフあるいはシャールの色には特に制限はありません。極端に派手な色柄ものでなければ大丈夫です。ただ、宗教的な施設(モスクなど)に入場する場合は、黒のような地味な色の方が良いですから、観光のことを考えたら地味目な色のものが良いかもしれません。

 それから、少なくともおしりが隠れる長さの薄手のコートを着ます。これも色は派手なものでなければ問題ありません。袖まくりなどをして腕を見せるのは本来NG.です。コートの下は下着でもタンクトップでも構いませんが、とにかく、外には素肌を見せないでください。

 靴下はできるだけはいてください。イランの若い人の中には素足にサンダル履きという人も多いですが、本来は女性が素足を見せることは許されていませんので、足首まであるパンツと靴下で、素肌が見えないようにすることをおすすめします。

 わかりやすいように写真を、と思ったのですが、こういうときに限ってちょうど良い写真が見つからないのはなぜでしょう。ということで、こちらの写真で。

へじゃーぶ



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しょうが


 友人が、「日本や中国の料理を教えて」と頼んできました。「イラン料理よりも健康にいいんでしょ?」とのこと。
 このところ、料理雑誌やテレビの料理紹介コーナーなどでも、日本をはじめとする東アジアの料理やそのアレンジ料理が紹介されるようになり、折からのダイエット・健康ブームとも相まって、少し関心が持たれるようになってきたようです。

 とはいえ、イランでは調味料などで制限が多いために、東アジアの料理をそのまま作ることは難しいのも確かです。それでも、ニンニクとショウガを使うと、何となく中華風になるので助かっていますが。

 ニンニクはイラン料理にも使われているので簡単に入手できますが、生ショウガの方は、アジアの食材を扱っている店でないと買えないものでした。
 ところが、この二三年、市内のあちこちで「薬」として売られている生ショウガを見るようになりました。段ボールに貼られた紙によれば、筋肉痛に効くとか(多分)。

 季節になると白菜や大根も出回るようになりましたし、今度はどんなものが手に入るようにのかなあとちょっと楽しみなのでした。


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 北京で大気汚染を軽減するために、ナンバープレートによる交通規制をするという実験を行っているとか。
 ナンバープレートの末尾の数字が偶数か奇数かで、その日、市内を走行することができるかどうかが決まるというこのシステム、ほぼ全く同じものがテヘランでも運用されています。テヘランでは、大気汚染や恒常的な渋滞の軽減に役立っているのかいないのかなんとも微妙な制度ですが、中国ではさてどうなることでしょうか。

 テヘランでは、多少の渋滞解消にはなったものの劇的な改善とは言い難く、大気汚染も改善されたのかどうかよく分からないなあという程度でしかありませんでした。北京の事情はよく分からないので同じようには語れないでしょうが、40パーセントの大気汚染の改善というのはどうなのかな?という感じもちょっとします。テヘランでは多分、ガソリンを配給制にしたときの方が効き目はあったのではないかと思います。

 テヘランの場合、公共交通機関が市民の足と言えるほどには発達しておらず、自家用車がなければ勤め先へ行くにも不便という人も多く、自動車を使わざるを得ない、使いたいとなるのは仕方がありません。また、「自家用車に一人で乗っていること」がステイタスという考え方の人もいるために、どんなに渋滞に巻き込まれようと、自家用車を使うという人もいるのです。
 しかし、偶数奇数制度のため、規制区域である市内の中心部へは二日に一度しか入れません。
 そこでどうするか。
 素直に、公共交通機関やタクシーを使う人も多いです。これは間違いありませんが、いろいろな手段を考えて、何とか自家用車で規制区域へ入ろうという人もいるそうです。

 普段それほど自動車を使っていない親戚や友人から借りる、というのはごく普通の手段。
 少しお金をかき集めてがんばる人になると、セカンドカーを買ってしまいます。自分の自動車が偶数なら奇数のナンバープレートを持つおんぼろ自動車を安く買ってナンバープレートをとりはずし、毎日ナンバープレートを取り替えるのだそうです。あるいは偶数と奇数のナンバープレートを持つ自動車を二台用意して、日替わりで乗っているのだとか。車庫証明のいらないイランならではの手段です。
 ナンバープレートをチェックしている警官から死角になるよう、他の自動車の陰に隠れてチェックポイントを通過するというのもよく使われる手段です。全ての自動車をチェックできるほど大量の警官が配備されているわけではないので、三車線、四車線道路であればこういう手も使えるわけです。
 チェックをしている警官に賄賂を渡すというのも見られます。もちろん、絶対にそういうことを許さない警官もいるので、相手を見極めないとかえって大変な目に遭うから気をつけなくてはならないそうですが。
 自分がどうして進入禁止区域へ行かなくてはならないのか、警官に向かってとうとうと訴える人も見られます。よくまあそれだけいいわけを考えつくよというくらいで、警官も次第に嫌になってきて、「さっさと行け」となってしまうこともあるようです。
 タクシーや公用車などは、ナンバープレートの数字に関係なく規制区域へはいる許可を与えられ、そのための通行許可書シールを貼っているのですが、このシールを偽造する人もいるとかいないとか。私自身は見たことがないので、本当かどうか分からないのですが。

 とまあ、あの手この手を考え出すたくましい人たちで、規制が行われたからといって、交通量が半分になったという感じはあまりありませんでした。「少しは減ったかな?」という程度かなあという感じです。もちろん、規制が始まる前に比べると、渋滞している時間は減ったように思いますが。

 そういえば、私が目撃した一番おもしろかった規制区域の強行突破手段は、後部座席に座っていた私を指さして、「外国人が行けと言っているんだから仕方がないだろう。通せ!」というものでした。それで、「仕方ないなあ」と通してしまう警官にも驚いたのですが。
 ちなみに、これは運転手が道を間違えたがために、規制区域を通らざるを得なくなったものであり、私が強制したものではないことをお断りしておきます(笑)。


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 写真を整理していて気づいたこと。

 最近、こういう二階建てのバスを全く見なくなったなあということと、側面に広告を描いたバスが減ったなあということ。

にかいだてばす



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 写真を整理していて懐かしかった写真シリーズ(?)。

 イラン国内にある世界遺産登録された遺跡の一つ、チョガー・ザンビールです。

 メソポタミアに見られるジグラットと呼ばれる遺跡の一つです。紀元前13世紀頃に建てられた神殿だとのことですが、今は五層あったとされる建物のうち三層しか残っていないとか。
 調べてみたら、1979年に世界遺産登録されたとのことですが、1994年に初めてここを訪れたときは、管理人すらおらず、遺跡の中を歩き回り放題でした。もっとも、訪れたのが夏だったため、暑さでそれどころではなかったのですが。
 下の写真がその時のものです。

ちょがー・ざんびーる1



チョガー・ザンビール
2007年 08月 12日 | 編集 | 削除 ▼

 写真を整理していて懐かしかった写真シリーズ(?)。

 イラン国内にある世界遺産登録された遺跡の一つ、チョガー・ザンビールです。

 メソポタミアに見られるジグラットと呼ばれる遺跡の一つです。紀元前13世紀頃に建てられた神殿だとのことですが、今は五層あったとされる建物のうち三層しか残っていないとか。
 調べてみたら、1979年に世界遺産登録されたとのことですが、1994年に初めてここを訪れたときは、管理人すらおらず、遺跡の中を歩き回り放題でした。もっとも、訪れたのが夏だったため、暑さでそれどころではなかったのですが。
 下の写真がその時のものです。


 この二年後に訪れたときには、遺跡を囲む塀のようなものが作られ、管理人らしき人がいましたが、特に入場料を取られることもありませんでした。相変わらず、観光客もいない貸し切り状態だった遺跡を上ったり降りたり、さらには一番上で妙なパフォーマンスをする我々でした。
 その時の写真が下のもの。

ちょがー・ざんびーる2


 それから三年後に訪れると、管理人小屋から出てきた人に、「入場料を払え」と言われ、びっくりでした。遺跡の修復も始まっていて、「なんか変わったな〜」と実感したのがこのとき。

 その翌年に訪れたときには、修復も進み、「遺跡に上るな」とロープが張られ、管理人が遺跡の概要を説明できるようになっていてまたびっくり。

 遺跡の保護という点から言えば、むやみに人があちこちにふれない方が良いのでしょうが、昔の様子を覚えているだけにちょっと寂しい感じもしてしまいました。個人的な感傷に過ぎませんが。

 もう3、4年ほど訪れていないので、その後、修復がどのように進んでいるか分かりませんが、イランらしくのんびりとやっているのではないでしょうか。
 日本では観光客の誘致のために世界遺産登録を目指すこともあるようですが、イランでは観光地化するスピードもゆっくりなようです。世界遺産登録から観光地として入場料を取り、整備や修復を始めるまでに約20年です。

 将来、今はなくなってしまっている二層分が、「修復・復元」によってできているのではないかという気がするのですがどうでしょうか。


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 古い写真を整理していて見つけた懐かしい写真です。

 シーラーズのワキールのハンマーム(浴場)です。
 恐らく1994年か1995年に撮ったもので、管理人もいなければ手入れもほとんどされていなくて、歴史的な建造物だろうにもったいないと思ったことを覚えています。
 それが現在はすっかりきれいに修理がされて、イラン音楽の生演奏が楽しめるレストランとして観光客でにぎわっています。この写真の頃には訪れる人もいなくて、がらんとした空間が広がっていただけでしたが。

わきーるのはんまーむ


 イラン各地には、こうしたハンマームが沢山残されています。
 内風呂が普及した今日では、古くからの生活スタイルが残っている農村部を除けば、ハンマームはほとんどが使われなくなってしまいました。
 使われなくなったハンマームは、取り壊されてしまったものもありますが、多くは放置され、漆喰が落ちたり、天井に穴が開いたり、朽ちるに任せられています。

 ところが、この数年、ハンマームを改修して、チャイハーネやレストランとして利用することが流行しています。

 そのこと自体は決して悪いことではないと思います。

 ただ、少し残念に思う部分があるのも事実です。
 もう少し、ハンマーム文化をきちんと伝えるための場所として活用できないのかな、と思う部分もあるのです。
 いくつかの歴史的に有名なハンマームは、ハンマーム文化を伝えるために博物館として残されていますが、それも十分なものではなく、ハンマームのそれぞれの部屋がどのような役割を持っていたのか、人々がハンマームをどのように使っていたのかということが分かりやすく伝わっては来ません。なんか、細かい部屋が沢山あるなあ、で終わってしまうのです。

 もう一つ残念なことが、普通にチャイハーネやレストランになっているのならそれもまた一つのやり方かな、と思うのですが、ここに「伝統音楽の生演奏付き」とすることはやめて欲しいなあと思うのです。もちろんこれは、ハンマーム改装に限らず、普通のレストランなどでも同じなのですが。
 イランの伝統音楽は繊細で緻密な、非常にすばらしいものだと思います。
 しかし、「伝統音楽の生演奏付きレストラン(あるいはチャイハーネ)」では、アンプを使い、隣の人の声さえ聞こえないくらいの音量で「これでもか」というくらいに音楽を押しつけてきます。それも、アンプの品質が悪いため、音は割れ、音響の悪い室内でわんわんと響き渡ります。それに加えて、演奏者たちも腕がそれほど良いというわけではないことも多く、他の奏者と合わせようというよりは、「自分が自分が」という演奏をするため、聞いていて苦痛になることもしばしばです。ここに歌手が入ると最悪です。自分に注目し、手拍子、拍手をすることを強要され、食事や雰囲気を楽しむどころではなくなってしまいます。

 昔、まだ日本で大学生だった頃、何という雑誌だったか忘れてしまいましたが、中東・中央アジアの伝統音楽について書かれた記事の中に「かそけく〜」という言葉がありました。
 「幽し(かそけし)」とは国語事典によると、光・色や音などがかすかで、今にも消えそうなさまを表す古語だそうですが、とても印象深く、心に残りました。

 実際、イラン(中東・中央アジア全体に言えることですが)の楽器、特に弦楽器は、決して力強い大音量を出すものではありません。これはあくまで個人的な感想なのですが、それほど大きくない部屋で、演奏する人との適度な距離の中で聞くものだという感じがするのです。

 ですから、音楽なら音楽だけ、食事なら食事だけをそれぞれ楽しんだ方が良いのでは?と思うのです。レストランでは質の高い演奏のテープなどを適度なボリュームで流しておいてくれれば十分だと思うのです。隣の人と話すこともできない音量というのはちょっと食事の場としてふさわしくないと思うのです。美しい音楽が美しく聞こえないというのは音楽に対して失礼だという気もします。

マラーゲのはんまーむ


 先日、アゼルバイジャン地方を訪れたときにも修復中のハンマームがありました。修復に関する責任者に「修理が終わった後はどうするの?まさかチャイハーネやレストランにするの?」と聞いたところ、「それはない」と聞き、「それがいいわ」と思わず力強く賛成してしまいました。
 ハンマームとイラン音楽。
 どちらも大切に残して欲しいなあと思うのです。
 (上の写真はマラーゲで現在修復中のハンマーム。チャイハーネやレストランにする予定はないとのこと)


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大学が夏休みに入って一ヶ月以上が過ぎました。
 私はこれまでの旅行や調査のまとめや写真整理に追われているところです。普段からまめに整理をしていればいいのでしょうが、ついつい忙しさに取り紛れ、後回しにしてしまいます。おかげで、これは一体どこの写真だっけ?などと悩むことになってしまいます。

 以前にもお話ししたことがあるように、イランの大学は三ヶ月間の夏休みがあります。その他には正月休みが約2週間なのですが、宗教関連や革命関連の記念日やら祝祭日が多いし、公式な休日ではなくとも宗教関連の行事が多いため、一年の半分くらいは休みなのではないかという感じがするくらいです。

 実際、あまりの休日の多さに、1タームに16回あるはずの授業が11〜13回しかできなかったということもあります。春休みの前後など、学生が自主的に授業に来ないこともあるので、授業計画の達成に必要な授業時間の確保に頭を痛めなければならないこともしばしばです。
 もっとも、私も学生の時は休みが多い方が良いなあなどと思っていたので、あまり偉そうなことは言えないのですが。

 小学生は一足早く夏休みに入っているため、三ヶ月半くらいの夏休みです。

 小学校から大学まで、日本に比べると随分と休みが多いような気がします。
 友人などに、「イランは随分と休みが長いね」と言うと、ほとんど必ず「そんなこと言ったって、暑い中、クーラーのない学校なんかに行ったら、子供たちが病気になる」と言われます。「日本とは違うんだよ」

 しかし、日本でも冷暖房が完備された学校というのは決して多数派というわけではないように思うのですが、どうなのでしょうか?新しい校舎でしたら冷房もあるのかもしれませんけど、冷房のない中、「暑いな〜」と言いながら夏休みを心待ちにしている子供も結構いるのではないでしょうか。
 イランと日本の暑さの質は随分と違うので、一概に比較はできないのですが。

 海外のコンサルティングによる教育などに関する提言の中には、夏休みをもう少し短くすることなどが含まれていることがあるそうです。
 それを受けてなのか、イランの教育関係者たちに思うところがあってなのかは分かりませんが、先学期末、突然、大学側から「新学期の始まりを二週間早めたいのだがどうだろう?」という打診がありました。
 私たちの返答は「絶対に嫌」でした。

 休みが多いと文句を言っていたじゃないか、と言われるかもしれませんが、一応私たちにも言い分はあります。
 私たちは、夏休みが長いことに不満なのではなくて、あまりにも多い祝祭日や宗教関連行事に授業が削られ、祝祭日に合わせて帰省をしたい、勉強をサボりたいと、色々な口実を使って学生が授業に出席しないことなのです。たびたび休みが入ることで、学生が落ち着かないことが困るのです。別に、夏休みが三ヶ月あっても、1タームで行われる授業数が確保できるのならさして問題はないのではないかと思うのです。まあ、長い夏休みの間に勉強をしてくれないので、新学期には前学期に教えたことを忘れてしまう学生がいるのは問題なのですが。

 気がつくと年々増えている宗教関連祝祭日に、どうなっているのやらと、新学期の準備をしながら、自分の授業数がどうなっているのかと、カレンダーを確認する今日この頃なのでした。


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Author:さらさや通称サラ
留学生としてイランへやって来て12年目。
テヘラン大学で日本語講師として働き始めて3年目。
テヘランの片隅でひっそりと(?)暮らしております。

イラン人 カレンダー イラン事情 テヘラン 大学 イスラーム シーア派 ラマダーン 風俗習慣 大学生 イラン料理 イランの事務 ノウルーズ 交通事情 12イマーム・シーア派 旅行 日本人 断食 イランと日本 アーシュラー サッカー ペルシア語 食材 こども  被災地 女性  ビザ・パスポート お菓子類 預言者  若者事情 地震 草花 テロ バーザール 祝祭 学校 農村 ペルシア文学 試験 ファッション ペルシア湾 アゼルバイジャン イラン・イスラーム革命 ヘジャーブ バム 雑談 選挙 クルアーン 冷暖房 スポーツ  政治 犯罪 レストランなど 言葉 大統領 買い物 ハッジ 大気汚染 絨毯 名前 給料 タクシー ホメイニー師 看板 電話 プロパガンダ 休日 アラムート 殉教  新聞 バルーチェスターン 核問題 流行 仕事 ヤズド 結婚 ゴミ 墓地・墓 遺跡 ケルマーン ペイカーン カーシャーン ゴム ガズヴィーン 果物 ホイ 民族 アリー テレビ番組 農業 警察 医療 シーラーズ 留学生 エネルギー問題 博士論文 シャベ・ヤルダー 援助 翻訳 クリスマス バンダル・アッバース 商店 ブーシェフル ホルモズ島 イランとアメリカ 火災 空港 ハフト・スィーン 信仰 ナズリー サマータイム アルメニア人 エフタール けが・病気 IRIB  列車 ペット ハーフェズ アラブ人 公務員 遊牧民 スィースターン サアディー 歴史 アフガン人 ゾロアスター教 マシュハド ファーティマ 映画 アルダビール ダマーヴァンド ファールス キリスト教 日本語 正月  エスファハーン イラン・イラク戦争 水煙草 地下鉄 麻薬 ゲシュム島  アッタール トイレ 航空事故 ムスリム 住宅 ハマダーン バスィージ 教会 アビーヤーネ バフティヤーリー 魚醤 インターネット 郵便 先生 生き物 外国語 検閲 アレルギー 銀行 イスラエル 国境 入試  ゴキブリ オリンピック PC スィーズダ・ベダル セイエド ザイナブ 建築 チャハールシャンベ・スーリー 学生  遊び イラン人と日本人 ジハード シューシュ 役所 刑法 外貨 水不足 セムナーン 写真 教育 ハディース 国歌 偽ブランド 飛行機 シャフリヤール ダイエット ハールク島 文明  自然 糸杉 ペルセポリス バレンタイン ズールハーネ 紙幣 音楽 モウラヴィー チョガー・ザンビール 聖職者 チャーバハール アルバイト フィールーズクーフ フーゼスターン 教科書 成績 日食 ホメイン ことわざ 暴動 ナショナリズム 国勢調査 ホルマー キャラーテ・ナーデリー  美容整形 サーデグ・ヘダーヤト 密輸 ダルヴィーシュ 春 草花 宗教少数派 マフディー 沙漠 サナンダッジ ガシュガーイー ニューリッチ おやつ フェルドゥースィー キーワード 物価 ペルシア クルド 占い 小学生 研究者 国際書籍見本市 差別 天使 鳥インフルエンザ 植林 シャベ・ガドゥル チャイハーネ サフラン 夏休み 学術 ガムサル 薔薇水 下町探訪 ホラーサーン 街道 パサルガダエ スィーラーフ パン 不法滞在 


※サラへのメールはこちらから。



 イラン国内での団体・個人旅行や取材などの通訳・コーディネーターのご紹介致します。詳しくは、上のメールフォームからお問い合わせ下さい。

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 ※イランのあれこれやイラン旅行&留学、イスラームについての質問などはこちらのBBSからもどうぞ。何でも、というわけにはいきませんが、分かる範囲でできるだけお答えいたします。





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りんく
外部リンク等

 らくだの&サラによるユダヤ&イスラームの異色コラボはこちら。

「(はてな版)こらぼ さらくだ」

「(エキサイト版)こらぼ さらくだ」



 あちこちを歩き回って撮った写真と思い出。今はイランを中心にご紹介中

「こぼればなし」


 ただいまお休み中。

 イラン文学&民話の翻訳はこちら。サラによる翻訳なので、あまり美しくないのが難点。でも、イラン文学に触れることはできるかも。

「イラン徒然草」







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